第71回研究大会シンポジウムについて(終了しました)

あらためてシンポジウムの概要をお知らせします。みなさまのご参加をお待ちしています。

第71回日本図書館情報学会研究大会シンポジウム
・日 時:10月8日(日)14:15~16:55
・会 場:愛知淑徳大学 星が丘キャンパス 5号棟5階55A教室
・テーマ:生成AI時代における図書館員の役割
・趣旨:
 ChatGPTを代表とする生成AIが社会や教育へ及ぼす影響について議論されている。2023年4月10日、ChatGPTを開発した米OpenAI社のサム・アルトマンは岸田文雄首相や自民党の会合で意見を交換し、その活用を提案した。日本政府の対応はAIの規制を強める世界各国との傾向とは逆行していると批判がある。一方、学校教育現場では、学生・生徒・児童による生成AIの利用が問題になっており、宿題や課題を解く際に使われた事例も報告されている。オックスフォード大学マイケル・A・オズボーン(Michael A. Osborne)らによれば、日本において、技術的に高い確率でAIやロボットに置き換わりうる職種に労働人口の49%が就いているとされ、将来なくなる可能性のある候補のひとつに司書があがっている。
 生成AIには事実に反する受け答えをする幻覚(hallucination)の問題が指摘されており、書誌や所在情報を正確に返すべきレファレンス業務に不向きであるが、MicrosoftのBingやGoogleのBardなど検索システムと組み合わせることでその点を克服しようとする動きが活発である。AIが生成するテキストは、図書館員の最も専門性の高いサービスに多大な影響を与える可能性がある。他方、この状況は、図書館職員の専門性を省みる好機ともいえる。
 そこで本シンポジウムでは、レファレンスなどの情報サービスを主な対象として、教育や実務の現場における生成AIの活用事例を紹介しながら、図書館員の仕事のあり方や今後担う役割について議論する。
・パネリスト
中島玲子(慶應義塾大学)「生成AIとの協働の可能性:どう活用していくか」
原田隆史(同志社大学)「生成AIで変わる図書館業務と図書館員の教育・養成(仮題)」
吉本龍司(株式会社カーリル)「生成AIと図書館ウェブサービスの連携」
・コーディネータ・司会:宮田玲(東京大学)